ドラッグストアで働く薬局管理栄養士とは?仕事内容・求められる人材について解説

少子高齢化が進み、病院や介護施設以外にも地域住民の健康支援の場が求められています。
そこで、管理栄養士の活躍の場としてドラッグストアが注目を集めています。
今回は、ドラッグストアで働く管理栄養士の役割や仕事内容、求められるスキルとキャリアアップの資格についてお伝えします。

ドラッグストアに管理栄養士が在籍する理由は?

管理栄養士が配置される背景には、2016年4月にスタートした「健康サポート薬局制度」の推進や、地域での健康意識の高まりが関係しています。

「健康サポート薬局制度」とは、ドラッグストアや薬局が、地域住民の健康支援のために包括的なサービスを提供する制度です。
お客様のニーズが多様化し、幅広い対応が求められているため、管理栄養士の需要が高まりました。

引用:健康サポート薬局とは?|日本薬剤師会

薬局管理栄養士の役割・仕事内容

ドラッグストアでの仕事内容には、おもに次の4つが挙げられます。

栄養相談・健康相談

管理栄養士は、一人ひとりのライフステージに合わせたサポートを行ないます。

  • 子育て世代への育児相談や離乳食のアドバイス
  • 生活習慣病の予防相談
  • 高齢者のフレイル対策
  • 健康食品やサプリメント、機能性表示食品の提案やアドバイス

来店が困難な方への訪問栄養指導

地域の包括的なサポートとして、管理栄養士による在宅栄養指導も重要視されています。
訪問栄養指導のおもな対象者は、体の不自由な方や寝たきりの方です。
食事内容をチェックし、日常生活における健康維持のサポートや、ご家族に向けて食事を楽しめる工夫を提案します。

店舗内業務(レジ対応、品出しなど)

管理栄養士は、店舗内の業務を担当することもあります。
主な業務内容は、接客販売、商品発注、在庫管理、売場管理などです。
普段からお客様とコミュニケーションをとることで、お悩みや潜在的ニーズを知る機会が得られるでしょう。

イベントの開催や広告の作成

ドラッグストアでは、健康相談会、育児相談会、レシピ提案、健康チェックイベントなどを定期的に開催します。
イベント開催にともなうチラシ作成も仕事の一つです。

*店舗により業務範囲が異なります。就業前に内容を確認しておきましょう。

薬局管理栄養士に求められる人材とは?

ドラッグストアでは、柔軟な対応が求められます。
これを踏まえ、ドラッグストアの管理栄養士に向いている方の特徴や、おすすめの資格についてお伝えします。

ドラッグストアの管理栄養士に向いている方の特徴

管理栄養士は、ドラッグストアでどのようなスキルが求められるのでしょうか。
薬局管理栄養士に向いている方の特徴には次の3つがあります。

コミュニケーションをとるのが好きな方

ドラッグストアで扱っている商品は幅広く、さまざまな年代のお客様がやってきます。
栄養相談・健康相談では、どの年齢層のお客様でも積極的にコミュニケーションをとることが求められます。
職場でのチーム連携も求められるため、人とのかかわりに苦手意識がない方が向いているでしょう。

健康のサポートを通じて地域に貢献したい方

地域貢献に興味がある方には、ドラッグストアの管理栄養士に向いているでしょう。
さまざまな年代のお客様の栄養相談や健康相談は、地域住民の健康維持に役立ちます。

幅広い業務を経験したい方

ドラッグストアでの業務内容は多岐に渡ります。
たとえば、栄養相談・健康相談や接客でのコミュニケーション能力、イベントの企画力、薬剤師や登録販売者とのチーム連携、商品のマーケティング能力など、さまざまな経験を積みたい方に向いています。
また、新しい知識が求められるため、意欲的に学ぶ姿勢も大切です。

ドラッグストアでの専門性を高める資格

ドラッグストアでのキャリアアップや、他店舗との差別化をはかるためにおすすめの資格は次の3つがあります。

医薬品登録販売者

医薬品登録販売者の業務内容は、OTE医薬品(第二類・第三類)の販売や、医薬品の使い方のアドバイスなどがあります。
OTC医薬品とは、処方箋なしで購入可能な一般医薬品のことを指します。

在宅訪問管理栄養士

「在宅訪問管理栄養士」は、公益社団法人 日本栄養士会・一般社団法人 日本在宅栄養管理学会(旧全国在宅訪問栄養食事研究会)が認定する制度です。
在宅医療にかかわる専門家との多職種連携や、療養者の安全対策やQOLの向上のためのサポートを行ないます。

薬剤師

薬剤師は、OTC医薬品の説明のほか、外来患者様の処方せんの調剤や調剤時の服薬指導を行ないます。
管理栄養士の知識とかけ合わせることで、より専門的なアドバイスが可能です。

このほか、ドラッグストアでは化粧品や健康食品、サプリメントを扱っているため、客層により美容関連の資格が強みとなる場合もあります。

まとめ

ドラッグストアの管理栄養士は、地域に根ざした活動に興味がある方におすすめです。

業務内容は多岐に渡り、栄養相談・健康相談のほか、店舗内業務やイベントの企画など、さまざまな経験が得られます。
ドラッグストアで働く際には、健康分野の新しい知識が求められるため、薬局管理栄養士研究会などのコミュニティを積極的に活用していきましょう。